感謝状贈呈先
WARDは、活動の一環として、未来社会に貢献している世界の個人及び団体に、子孫に代わって感謝状を贈り、一層の活躍をお願いしています。
2017年度感謝状贈呈者
Ms.NataliyaGudziy(ウクライナ)
ナタリア・グジーさんは、31年前6歳の時、チェルノブイリで被曝し、避難生活で転々とし、ウクライナのキエフに移住。ウクライナの民族楽器バンドウーラの音色に魅せられ、学校で日本語を学びながら音楽活動を開始。ウクライナの子供たちと広島、長崎、また東日本大震災を子供たちとの折り鶴の交換プログラムを行い、音楽を通して核の廃絶と平和を願う活動をして、国際理解と世界平和に貢献している。
Prof.MarkusBorner(スイス)
マルクス・ボルナー教授は、過去40年間、アフリカにおける絶滅寸前の野生生物の保護や生態系の保全管理活動を行ってきた。タンザニアのセレンゲッティ国立公園で、種の保全は生態系全域での総合的保全が必要であり、活動の指針として我々が棲む惑星を健全に生存させるには、手つかずの自然、種の多様性、自然美が絶対的に不可欠であるという原則を掲げて活動し、生態系を維持する努力をしている。
太刀川瑛弼様
NOSIGNER(ノザイナー)代表、社会や未来により良い変化をもたらすためのデザインを理念に、グラフィック・プロダクト・空間デザインの領域にとらわれず、ビジネスモデルの構築やブランディングを含めた総合的なデザイン戦略を手掛けている。デザインを通して、社会が向うべき仕組み作りに関わり、知財を開放して、人と人を繋ぎ、社会に意義あるイノベーションを生み出している。
伊藤佳通様
BAC仏教救援センター理事長、カンボジア難民との関わりに端を発し、タイ、バングラデッシュ、更に長い間ラオスと関わり続け、特に、ラオス政府からの要請などに応えて当国内各地に、120校以上の小学校を建設、寄贈の世話をするなど、当該各地の子供たちの教育の機会を提供し、更に図書館の建設、地域住民の健康の向上にも貢献している。
大村 智様
北里大学特別栄誉教授、永年に亘り微生物が生産する有用な有機化合物の探索研究を行い、多数の新規化合物を発見した。中でも抗寄生虫抗生物質イベルメクチンは、熱帯地方の風土病オンコセルカ症に威力を示し、これまでに数億人に止まらない感染患者の救済に大きな貢献をした。北里研究所、女子美術大学の経営にも携わり、大きな成果を上げている。紫綬褒章、文化勲章などを受け、2015年にはノーベル生理学・医学賞の栄に浴した。
2016年度感謝状贈呈者
Prof.Sir Partha Dasgupta(英)
ケンブリッジ大学経済学部名誉教授。発展途上国の農村における環境資源基盤の劣化や貧困問題の研究の先駆者。世代間平等と持続可能な開発の概念は同じであることを示し、開発経済学と環境経済学を統合して、現在の経済思想に大きな影響を与えている。又、経済的発展の評価に、GDPなどの指標ではなく、総括的な国の富で表すことが適切であると提言している。環境と資源の価値を正しく組み入れていない今の経済は、地球社会を持続不能にし、世代間を不平等にしてしまう。現に、経済発展に伴う地球温暖化で、経済基盤自体も劣化している。子孫も平等に生きられるようにするには、環境経済が不可欠であり、GDPなどの指標を見直す必要がある。Dasgupta教授の提言を実現してほしい。
Association negaWatt (仏)
フランスのエネルギー遷移を推進しているNGOで、エネルギー需要抑制や再生可能エネルギー開発のエキスパート・実務家によって構成され、エネルギー遷移の研修、研究・調査を行い、実務をサポートしている。省エネや電力需要の効率化を組み合わせて節約したのを発電したのと同等に見做す「節電所」的“ネガワット”の考え方(世界のエネルギー戦略を牽引しているエイモリー・ロビンス氏<2013年度WARD感謝状贈呈者、41、42号で紹介>が提唱)に基づき、2033年までに全原発を廃炉にし、2050年までに化石燃料をゼロにして、再生可能エネルギーで賄う目標(下図参照)に向って活動している。フクシマ原発事故後、仏国民の7割以上が脱原発を希望しており、世論の後押しで活動の輪は広がっている。
脱原発弁護団全国連絡会
過去約40年もの間、日本各地の原発で運転差し止め訴訟などを担ってきた弁護団は、フクシマ原発事故を契機に、情報を共有し、訴訟支援活動を充実させるため、脱原発弁護団全国連絡会を結成した。現在約170名の弁護士が加入しており、再稼働の差し止めだけでなく、再稼働した原発を差し止めるなどの成果を上げている。ご承知の通り、この3月9日、大津地裁は再稼働中の高浜原発3、4号機の運転を差し止める仮処分を決定、7月12日には関電の異議申し立てを却下し、現在停止中である。そこには、住民側の代理人を務めた河合弘之弁護士等の弛まぬ働きがあった。彼らの誇りと良心にもとづく奉仕活動は、原発事故防止と放射性廃棄物の抑止に寄与し、子孫に安全な環境を遺す事に貢献している。
枝廣淳子
著作・翻訳・同時通訳者、環境ジャーナリストとして、また、東京都市大学環境学部教授として活躍し、私ども市民が今日の複雑な社会で行動するために欠かせない環境情報を、的確でわかりやすく、その適切な対処方法を含めて伝え続けている。さらに「幸せ経済社会研究所」等の実践の場を自ら創設・運営し、その経験から組織管理の専門家・コンサルタントとしても活躍している。尚、枝廣さんの活動についてはWARD47号に掲載した。
Friendensdorf International (独)
ドイツ国際平和村は、半世紀に亘り、紛争地域で犠牲になった子供たちへの援助活動をして、未来世代に大きな勇気と行動の指針を与えている。支援を必要としている子供たちに国境はなく、平和で安全な場所で住みたいという多くの人々の願いに具体的な活動で示し、子孫に良い社会を創造していくという大きな貢献をしている。
2015年度感謝状贈呈者
Malala Yousafzai
パキスタンで、女の子たちの教育を受ける権利を主張していた14歳のマラらさんは2012年、通学のバスの中でタリバーンに頭部を銃撃され重傷を負った。奇跡的に回復した後も、教育の重要さを訴え、マララ基金を設立する等の活動を止めず、世界を舞台に、学校に行けない6600万人の女の子の声を代弁して活動を続けている。同様な状況にある子供や若者たちに声をあげる大切さを示し、自らの状況を改善することに貢献している。これらの活動が評価され、2014年、ノーベル平和賞を17歳で受賞した。
尾形 剛
建築家でもある尾形さんは、アトピー性皮膚炎などのアレルギー、シックハウス症候群、化学物質過敏症などは住環境が原因と考え、建材・塗料や接着剤などをチェックする一方、食べ物にも大きな要因があると気づき、食のあり方を探求し、啓蒙に努めている。
垣見 一雅
ネパールの中部パルパ地方に住み込んで20年、100以上ある山奥の村々を歩き回って、子どもたちの教育、飲料水や給水設備、学校建設、診療所設置、トイレの普及、コミュニティセンター設立、図書館設立、若者クラブや母親クラブの設立、植林、収入や生活向上のための技術習得など、数限りない活動をされ、人々から「OKバジ=OK爺さん」と呼ばれ、皆から敬愛されている。
Dr.Daniel H.Janzen
持続可能な開発の施策や政策提言等を通じ、世界の先進国・発展途上国いずれもが学ぶべき価値あるロールモデルを提供し、世界に発信している。また、コスタリカの生物多様性研究所にて豊かな生物多様性の価値に対する認識を広げ、これを保全するとともに人間の生活の質を高めるというミッションに貢献した。
中村 修二
1993年に高輝度青色発光ダイオードの世界初の製品化を実現し、エネルギー変換効率が高く長持ちする白色光源を可能にした功績により、昨年ノーベル物理学賞を受賞した。又、2005年には水から容易に水素を取り出す原理を開発し、水素社会科に寄与している。更に、2007年には光ディスク「ブルーレイ」などで利用される青紫半導体レーザーよりも低消費電力で長寿命の無極性青紫半導体レーザーを開発するなど、地球環境の保全と資源の温存に貢献している。
2014年度感謝状贈呈者
島田 恵
フォトジャーナリスト。チェルノブイリ原発事故後、12年間六ケ所村に住み、20余年核燃問題を生活者の視線で撮りつづけた。この時代を映像で未来の人達に伝えようと、2013年「福島六ヶ所未来への伝言」を制作した。また、写真集「六ヶ所村核燃基地のある村と人々」、著書「いのちと核燃と六ヶ所村」などを通して、消すことの出来ない放射性廃棄物を未来に増やし続ける罪と大人たちの責任を問い続けている。
Prof.Daniel Sperling(USA)
カリフォルニア大学教授。交通輸送が環境に及ぼす影響について、車両技術、燃料、人間の行動様式等の視点から研究を進め、高効率で低炭素、そして環境に優しい輸送システムを構築するための、新たな研究分野を開拓した。また、世界の自動車会社他の技術に影響を与え、都市の環境政策に対して大きな進歩と指針をもたらし、地球環境改善に貢献している。
出雲 充
(株)ユーグレナ社長。光合成をし続け、大気中の二酸化炭素を酸素にし、豊富な栄養素を生産して、食物連鎖の一番下で、生き物を支えてきた体長0.05ミリ程の微生物「ミドリムシ」(学名ユーグレナ)の野外大量培養方法を開発した。さらに、ミドリムシから油脂分を抽出し、石油に代わる次世代燃料の開発を進め、地球と人類の未来に希望を与えている。
岡田卓也
財団法人イオン環境財団理事長。21世紀のキーワードは「環境」であると捉え、この問題を解決する目的で1990年に同財団を設立した。以来20余年、グローバルな視点で、様々な国や地域で、市民と共に、植樹・植林など、地球環境改善活動や環境NGOなどへの支援を行っている。同氏はこの財団に巨額の私財を投じているが、植えた木々は年々育ち、計り知れない価値を生み、未来に生きる人達を潤すでしょう。
Dr.Joerg Ledderbogen(ドイツ)
ハノーバー市(ドイツ)生物教育センター副所長。植物学、分子生物学、生化学、物質生産学を専攻。大量生産・消費の環境への影響やビオトープと人との関わりなど、環境教育を主要なテーマにし、先進的なドイツの環境教育を世界の教育現場で行い、公平で安心できる社会を目指し、子孫に良い環境を遺すことに貢献している。
感謝状贈呈者一覧
1994 1)Helen Exley(英) 2)Lester R Brown(米)
3)緑のサヘル 4)孫 若槐(中国)
5)商品科学研究所
1995 1)岩手県民運動推進協議会 2)2050
3)岡島成行
1996 1)リサイクル文化社
1997 1)堂本暁子 2)ジャック・イブ・クストー
3)世界連邦建設同盟4)シャープ(株)
5)東北電力(株) 6)高木善之
7)谷古入を守る会
1998 1)アサヒビール(株) 2)希望が丘学園
3)キリンビール(株) 4).Jame E Lovelock
5)(財)緑の地球防衛基金 6)日本ユニセフ
1999 1)David Browerd(米) 2)Hubert Curien(仏)
3)板橋区立イコポリスセンター 4)今泉 清
5)静岡市立千代田東小学校 静岡県立大学科学研究所
6)東芝ライテック(株)
2000 1)アグネスチャン 2)Bass Hotels & Resort(カナダ)
3)Poul.R.Erick(米) 4)木内 孝
5)水上 勉 6)生活クラブ生協
7)トヨタ自動車(株)
2001 1).Theo Colborn(米) 2)富士通(株)
3)原田正純 4)石牟礼道子
5)(株)スタイロジャパン 6)玉川学園
2002 1)本田技研工業(株) 2)(株)クボタ
3)Norman Myers 4)宮崎 駿
5)永島鉄雄 6)東芝家電相談センター
2003 1)コカ・コーラ環境教育財団 2)みやぎ生協
3)James Gustave Speth(米)4)シェアリングアース協会
5)田口久義 6)雨水利用を進める全国市民の会
2004 1)JATAN 2)草刈善造
3)Vo Quy(ベトナム) 4)Sevan Suzuki)(カナダ)
5)田久保晴孝
2005 1)Gro Harlem Brundland(ノルウエー)
2)Wangri Maathai(ケニア)
3)宮古農林高校環境工学環境班
4)菜の花プロジェクトネットワーク
5)セーコーイプソン(株) 6)全国青年環境連
2006 1)NPOフュージョン長池 2)藤村靖之
3)堀内道夫 4)小笠原孝生
4)Gordon Sato(米) 5)海辺作り研究会
2007 1)David Adams(米) 2)Al Gore (米)
3)細山田美保子 4)笠松和市
5)Emil Salim(インドネシア)6)横田健二
2008 1)Richard Goldman(米) 2)IPCC(スイス)
3)NPO 森 4)杉田明司
5)高野孝子 6) John Wood
2009 1) Mikhail Gorbachef (露) 2)三膳時子
3)田中 優 4)岡田達雄
5)Nicola Bradbear(英) 6)Claude Lorius(仏)
2010 1)Load Nicholas Stern(英) 2)宮脇 昭
3)NPO日本チェルノブイリ連帯基金
4)NPO大山千枚田保存会
5)Frau.Ortrud Kuhl(独)
2011 1)纐纈あや 2)鎌仲ひちみ
3)Jigme Singye Wangchuck (ブータン)
4)NPO銀座ミツバチプロジェクト 5)辻 信一
6) James E Hansen 7)C.W.ニコル
2012 1)飯田哲也 2)Gabor Somorjai(ハンカリー)
3)花澤義和 4)Jane Lubchenco(米)
5)畠山重篤
2013 1)Amory B. Lovins (米) 2)吉原 毅
3)西辻一真 4)Thomas E. Lovejoy(米)
5)坂田 明 6)桜野良充
2014 1)島田 恵 2)Prof.Daniel Sperling(米)
3)出雲 充 4)岡田卓也
5)Dr.Joerg Ledderbogen(ドイツ)
2015 1)Malala Yousafzai 2)尾形 剛
3)垣見 一雅 4)Dr.Daniel H.Janzen
5)中村 修二